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slowfood+sweet tooth

農家・料理人・お客をつなぐ食業界記者。製菓と製パンも得意。

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darma

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2023.03
24
Category : つながり
気まぐれに書いてきたこのブログもだいぶ古くなりました。
新しいブログはHP fukaesonoko.com 内の「news」にあります。もしよかったらぜひ。
あとは荒れないように年に一回くらい来て、そのうち引っ越します。
読んでくださった方、ありがとうございました。
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2018.12
11
Category : 函館
日程が決まりました!カレンダーに印をお勧めします。

第8回世界料理学会 in HAKODATE(WCAM8)は、
2019年10月28日(月)、29日(火)に決定しました。2日間とも、函館市芸術ホールです。

今は運営上の変更点だけお知らせしますね。
① プログラムは前回までとちょっと趣向が変わるかもしれません。会場の都合です。
② 「月火」の曜日は従前。ですが会場都合により「バル街」とは別の週です。よって「前夜祭がバル街だよ!」ではない回となります。
※「函館西部地区バル街2019春・秋」の日程については公式ページをご覧ください。

先日準備会議があったのですが、今まで関わってくださったシェフたちの中には「自腹参加するよ!」と言ってくださる方がいて嬉しい!
過去の回でチケットを購入して参加してくださったシェフおよび飲食関係者の皆様からも、
「今年もいくぜ!」とお言葉をいただいています。

再び(そして新たに)あのシェフに会える!
新ネタが聴ける!(ネタ!?本当に興味深くてつい、こう呼んでしまってすみません)
聴くのは市民とレストランのお客様、これを読んでくださるみなさんです!
どうぞお楽しみに。またご報告します!!
2018.05
19
Category : life
Theme : カフェ
Genre : グルメ
去年まで三年間、札幌市観光局インバウンド事業の一環で、通訳案内士の方に飲食コンテンツを入れる講座を行いました。
とても面白かった。知らないニーズがたくさんある。

温かい食事じゃないと嫌な人、熱いものは無理な人。冷めてても気にしない人。
もっといいワイン持ってこーい!という人。
ベジタリアンも一緒に食べられるお店が欲しい。
コンドミニアムに来てくれる出張シェフ手配して!
ジビエがあるなら教えてくれればいいのに。
ランチでいいお寿司はどこ?(お昼にやっているいいお寿司屋さんは貴重)

食以外で深刻なのが、「札幌には買い物以外の面白い体験が少ない」(爆)

本州から来る方も「時計台はビルに挟まれてて草」とか仰るものね。
あれは後からビルが建ったので。本当は北大の中にあったはずだし。
中の展示は30分で札幌の歴史がわかるし、二階に上がるととっても素敵なのに、
入口で写真撮ってるだけじゃあわからんのだよ、良さが。(毒)

知っていただきたいので、気が向いた時にこうした声に「札幌人的口答え」をするべく、受講生有志の方々と食の勉強を始めました。
(講座内容についても、後日アップしようかな)

手始めに、「おいしいコーヒー朝飲めない問題」。
札幌は、実はフレンチロースト全盛の時代、「コーヒーの町」と言われ、業界人の視察が多かった。
スペシャルティをやる方は、「カフェスイーツ」のロースター列伝で、横井珈琲さんにインタビューしたのが最初かな。
スペシャルティの人たちはそれぞれ考えも違うけど、
力を合わせてバリスタの大会の地方予選を誘致したりとわりあい和やかだから、取材も心が軽い。


私のように朝を軽くしたい人や、せっかくなら外に出て町を感じたいという方、あともちろんコーヒー好きな方のためのメモ。
これでコーヒーフリークが泊まりに来てもイライラさせないぞ〜(笑)

丸美珈琲 シタッテサッポロ店(地下歩道直結) 7:30〜
http://www.marumi-coffee.com/

MORIHICO STAY&COFFEE 7:30〜
http://www.morihico.com/shop/morihico-staycoffee/

丸美珈琲 大通本店 8:00〜
http://www.marumi-coffee.com/

スタンダードコーヒーラボ 8:00〜
https://tabelog.com/hokkaido/A0101/A010103/1057494/

ATLIER MORIHICO 平日のみ8:00〜
http://www.morihico.com/shop/atelier/

オニヤンマコーヒー 8:00〜
http://www.oniyanmacoffee.jp/

BARISTART COFFEE 9:00〜
http://www.baristartcoffee.com/

※定休日と営業時間はお店のウェブサイトご参照ください


2017.09
23
Category : nonsweet
SCAJ2017 は日本最大のスペシャルティコーヒーの展示会。
SCAJ(日本スペシャルティコーヒー協会)が主催しています。
その中で今年も、4つの競技会が行われました。
1. JBCジャパンバリスタチャンピオンシップ
2. JBrCジャパンブリュワーズカップ
3. JCTCジャパンカップテイスターズチャンピオンシップ
4. RMCローストマスターズ チームチャレンジ

1や2は、北海道からも幾人ものバリスタたちが挑んできた大会。
ちなみに…SCAJでは他にいくつもの競技会を運営しています。サイフォンやラテアート、ハンドドリップ、蒸留酒を使ったコーヒーメニューなど、誰もが「ここだけは気になる」と思ってしまうような間口の広さ。このうちの多くは世界大会の予選を兼ねており、審査資格やルールも世界水準。ここ10年で整った、間口の広くて深い団体です。さまざまなコーヒー競技会が世界一元化され、たくさんの競技会に世界への道がついたのです。(逆に、サイフォン競技はおそらく日本が先駆けかな?)

で、2017年は9月21〜22日に、1〜4の決勝が行われました。
私はyoutubeで観るだけなのですが、お茶の間から北海道を応援!
1のバリスタカップでは、札幌 STANDARD COFFEE LAB大磯 悟氏が準決勝に出場されました!

4のローストマスターズ チームチャレンジ(RMTC)2017では、北海道チームが審査員大賞(1位)!
東川町のyoshinori coffee轡田氏によるプレゼンテーションはこちら

(29:12〜)北海道チームプレゼンテーション+焙煎プロファイル
轡田氏「ブラジルCOEのクリーミーな質感(9分20秒)、ルワンダの綺麗な明るい酸(9分)、グアテマラのチョコレートフレーバー(11分22秒)を引き出す焙煎を行ないました」 
ブレンド比率=ブラジル30%+ルワンダ60%+グアテマラ10%
※COE=Cup of Excellence受賞豆。世界の最高品質の豆を国際審査で選ぶ。それをオークションにかけ世界の業者が入札することで、生産者に正当な還元を行おうとした仕組み。

テーマ「ブレンドを制するものは焙煎を制す」
課題:
A. 2016 Brazil COE Early Harvest (24位)
 農園: Fazenda Tanque(2016)
 標高:1300m 処理:Pulped, Natural

B. Rwanda FW Red Bourbon, Kanzu #4

  農園(CWS): Kanzu
  標高:1800-2000m 処理:フルウォッシュ

C. Guatemala San Cristobal Honey
  農園:Agua Bendita, El Calvario, Bella Vista, San Esteban, Santa Ines
  標高:1400-1500m 処理:ハニー

会場解説:
(豆はそれぞれを焙煎したあとブレンドを行うが、)「焙煎とカッピングを繰り返して豆の特徴を見極め、焙煎で生豆の個性が的確に、あるいは狙い通りに引き出されていない場合、(ブレンド後の)カップクオリティは、良い豆でなくダメな豆が足を引っ張ることになる。
いわばブレンド技術<焙煎とカッピング技術 とも言えるのです。」
「プレゼンの評価ポイントは3つ。①生豆の評価の内容 ②それぞれに対する焙煎 ③ブレンド
試飲の評価ポイントは ①プレゼン通りの味が出せているか ②それがおいしいか」

競うのは全国7チーム(九州、中四国&関西、中部、北陸、関東、東北、北海道)。
関東チームが12人(店)の連合なのに比べて、北海道チームは3人。全チームの最小人数。
チーム競技になっているのは業界の研鑽と横のつながりの活性化のためなのですが…。

2017北海道チーム
 Yoshinori coffee 轡田芳範氏(東川)
 丸美珈琲店 後藤栄二郎氏(札幌)
 かふぇ坩堝(るつぼ)鎌田祐佳氏(帯広)。

結果…
オーディエンス大賞(会場投票)1位 九州チーム 2位 東北チーム
審査員大賞(COE国際審査員のカッピング)…1位 北海道チーム! 2位 関東チーム

本当におめでとうございます!誇らしいです!

Stephen Hurst氏 COE国際審査員の講評:(3:23:35)
「(各チームのプラスとマイナスのポイントを述べた後)北海道チームのカップは私が最も好みでした。
良い状態に焙煎されており、ブレンド構成がよく、はちみつ、桃、紅茶のフレーバーを感じました。」

※ステファン・ハースト氏はCOE中南米ジャッジ、欧州スペシャルティコーヒー協会理事を歴任したカッパーです。

関東チームは焙煎がわずかに深すぎ、焦げ(Ash)感を指摘されました。それ以外の多くのチームが「浅め」と指摘を受けた中、北海道は焙煎について非常に評価が高く、これが一位につながりました。

ここからは私観濃厚ですが…
札幌のコーヒーは長らくフレンチロースト主流で、今でも多くの市民が深煎りを愛飲しています。私もそうでした。
でも、スペシャルティに深煎りって聞いたことがありませんね。特別に美味しい豆をもし煎りすぎれば、その新鮮でデリケートな風味が失われます。焼くことに後戻りはないので、オーバーにならないよう、目指す味が現れるポイントまで焙煎しなければなりません。
けれど…浅すぎってどうなの? フルーティって酸っぱいことなの?確かに果実の種だし実を発酵させたり干したりしているから複雑な香りがあって楽しい(本当にトロピカルフルーツやチョコレートの匂いがするんだ)のはわかる。でも、しっかり「コーヒーの風味」がするコーヒーが飲みたいときだってあるんだ!(ちゃぶだい返しですみません)
超深煎り(今では焦げ臭くて飲めない物さえありました)が当たり前の札幌でコーヒーを覚え、21世紀になって夢中になったフルーティ浅煎りスペシャルティの世界から、適度に揺り戻して「時と場合でいろいろ選びたい」となった今、北海道チームがロースト競技で得られた勝利に、深く共感し快哉を叫びます。

やった〜!北海道のコーヒーは腰が据わってる。特に焼きが一流!
おめでとうございます! 
そして(最も小さなチームだった背景も感じつつ)美味しい北海道のコーヒーをますます応援しようっと!

※7チームのブレンドコーヒーセットは会場内で販売。その収益はWCR(ワールドコーヒーリサーチ)に寄付されました。WCRはアラビカ種の絶滅危惧に対し、良質な豆の生産持続性を維持する戦略的科学的アプローチ確立を目指す団体です。
2016.05
24
Category : つながり
「料理なのに学会? 食事会の間違い? それとも料理教室?」
これが、函館学会の実行委員へのFAQナンバーワンだ。料理学会とは、プロのコックの世界のトレンドで、「言葉でシェアする食のお祭り」だ。シェフたちは肉を焼いて見せる代わりにマイクを持ち、「なぜこんなふうに火を入れたのか」「それで何を表現したのか」「どんな由来の食材か」を語る。いわば料理の”哲学”を交換するのだ。コックの教育プログラムとしてスペイン・バスク地方のサンセバスチャンで始まったこの「学会」は、すぐにメディアや一般のfoodies の興味を引き(”次はどんな美味が食べられるの?”)、多くの聴衆を集めるイベントに発展してきた。

「スターシェフが出演するのに、なぜ東京ではないの?」
FAQの第2位はこれだ。函館の学会は、ひとりのシェフが郷里に貢献しようと立ち上げ、それは1年半に一度開催される。代表の深谷宏治(Koji Fukaya)氏は、日本のバスク料理の先達だ。機械工学部を卒業したあと放浪に出かけ、サンセバスチャンで料理を学んだ。彼の師、Louis Ilizarは、仲間とともに彼の地の料理学会を立ち上げた料理人であり教育者だ。共有と発信によって、小さな港町サンセバスチャンは、人口あたりの「星」の数で世界一になった。つまり、深谷氏は故郷の函館で、師の足跡に従おうとしているのだ。

 この学会は行政機関でなく料理関係者が運営するので、日本の組織には珍しいことに、「横並びの調整」にとらわれない。実行委員制で、街を愛する大人たちが真剣に遊ぶ、といったところだ。自然に囲まれた美しい港町で、ゲストたちは肩書きを忘れ、キャリアも世代も超えて料理を語る。農場や魚市場に行き、仕事の原点である「料理する歓び」に立ち返ることができる。地元スタッフシェフたちはインスピレーションを、生産者や流通業者はビジネスチャンスを得て、新たなネットワークが生まれる。そして私たち聴衆は、メディアで見慣れた有名シェフと直接話ができ、夜の食事会やパーティで彼らの料理を楽しめるというわけだ。

この学会がユニークなのは、回を重ねるうちに、都市と産地の間に料理人が立つ「フードコミュニティ」の機能を持ったことだ。実行委員は祭りを機に、食の分野で地域貢献しようと考えている。学会の存在が、食べる人と作る人の、「テーブルでつながるコミュニティ」を生む。この動きは小規模生産者を勇気づけ、北海道の持続性と多様性を促すだろう。この「豊かな郷里の美食」という考え方は、現在、世界じゅうの料理人が異口同音に語るテーマだ。もちろん、おいしく信頼できるものを食べ続けたいと思う人なら誰もが、この目に見えない美食コミュニティのメンバーになれる。方法は簡単。このコンセプトに賛同する人の農作物や料理を「選ぶ」ことだ。
料理学会の料理人や生産者に出会えば、楽しみながらその一歩が踏み出せる。

函館のシンボル、日本有数の美しい夜景は、小さな丘と陸が砂州でつながる地形(Tombolo)がかたちづくったもの。偶然にもそれは、サンセバスチャンの地形と同じだ。次回開催は2016年9月。日本に住む食いしん坊なら、ここで繰り広げられる熱い2日間を見逃す手はない。