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slowfood+sweet tooth

農家・料理人・お客をつなぐ食業界記者。製菓と製パンも得意。

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2011.07
07
Category : sweet
さっぽろスイーツ、夏の間のお勉強も頑張ってます。

「機能性素材を使ったスイーツの研究開事業」第一回勉強会。

産官学、というと、個人店には縁遠い?と感じていましたが、今回はスイーツ王国と市経済局が連携して、王国メンバーのパティシエや開発担当の皆さんが商品づくりまでこぎつけようという企画。
財)ノーステック財団科学技術コーディネーター 本間直幸氏によるレクチャー。
食材や技術とメーカーのマッチングの基礎知識を得る「フードサイエンスカレッジ」にも携わっておられます。
面白そう!というか、私が受けなくちゃ!
以下のお話も、日頃感じていることがきちんと整理されていたので
シェアさせていただきます。


テーマは「スイーツと機能性素材の可能性」。
(以下聞き取りによるあらすじ)---------------------------------------------

食の機能性を一次的「栄養」、嗜好、生体調節(健康維持を助ける科学的エビデンス)の3点が挙げられる。これらが総合的にはたらいているのが食の役割。

さらに4つめの機能として「社会的機能」をつけくわえたい。すなわち、
・ 精神衛生機能(楽しみ、遊び、癒し)
・ コミュニケーション機能(直会)
・ 教育機能(栄養、環境、しつけの教育+食育)

■食の機能性とは
まとめるなら、食の機能とは社会的機能(心の健康)+戦術の三次機能(社会的機能)の両輪が食に求められている役割である。このように、広く捉えた「機能性」に応える目的で「機能性スイーツ」を開発してみないか。

■ 機能性スイーツとは
・ 一般的名称ではない(=前項の「食の機能性」の定義参照)
・ 現行の訴求表現例)
・ お腹に優しい・低カロリー(グルコマンナン配合)/免疫力を高めるロールケーキ(βグルカン=欧米では機能性商品、がん細胞抑制効果が期待されると患者さんの間で口コミ多し)

■具体的には?
a. 心:美味しさと癒し
b. 身体:科学的根拠に裏付けされた素材 + 道産の安心感

<科学的エビデンスのともなう道産食材>
1. アロニア(ホクサン(株)/冷凍果実):
ポリフェノールの中でも特にアントシアニン(抗酸化機能)豊富
2. さらさらレッド(植物育種研究所/ペースト):
ケルセチン(血液サラサラ成分)豊富なタマネギの中でも含有量トップ品種
3. グリコシルセラミド((株)スリービー、粉末):たもぎ茸成分
4. SB88(サッポロビールの乳酸菌):
大麦麦芽由来の乳酸菌。他の乳酸菌より乾燥や低栄養に強い。(粉末は加熱済みだが効能は一定程度保たれる)
ドリンク「アレルスムース」抗アレルギー性体質改善機能、腸内環境改善、腸壁保護
5. マリンコラーゲン(井原水産(株)、粉末):
シャケ由来(天然国産鮭原料により抗生剤フリー)。関節痛、骨粗鬆症、肌の老化に効果
6. 韃靼そば:(株)長命庵、粉:ケルセチンおよびルチン(欠陥の透過性を改善し、加齢による血管老化を防止)、
7. ワイン澱(北海道ワイン(株)、冷凍固体):
澱を折り絞り機にかけた固体部分。酵母由来成分豊富でタンパク質アミノ酸食物繊維が豊富。原料ぶどうはすべて道産ナイヤガラ。
8.プロタミン:(株)丸はニチロ食品。粉末:シャケの白子由来。精子の集合体だが精子頭部の核タンパク(DNA核酸+塩基性タンパク質(プロタミン)が結合した物質(老化防止、学習応力低下防止)。アルギニン含有。機能性は肥満防止、動脈硬化防止、活性酸素抑制)
9. DNA-Na(同上):栄養補助食品原料。シロザケ白子由来。悪酔い防止、肌機能改善(保湿)、脳機能改善、耐久力向上など
その他参考素材(道外品): DHA-WP(DHA含有無臭化に成功)等、他にも色々…。

(聞き書き以上)----------------------------------------------------------
皆さんお疲れさまでした!
8月のミーティングでは具体的提案を持ち寄るとのこと。
今から参加もできそうですよ。
事務局にお願いしてみて下さい。

(おまけ)
どれだったのか、後からえらく渋味の強い粉末があって、会議室で人知れず身もだえました(笑)
慌てて飲んだミネラルウォーターが、ポカリスエットくらいの甘さに感じたのに二度ビックリ!!
やっぱり味覚って相対的な感覚なのです。
私は「鋭敏舌」でもないので、特に仕事では食べ比べて違いを知るよう心がけているのですが、
ますます慎重になりそうな出来事でした。
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2011.07
02
Category : nonsweet
しむかっぷ山菜市の続きです。
お次は北海道らしいワークショップ「エゾシカの栄養学」。

実は私、ある一部の「栄養雑学」が苦手です。
「○○が体にいいらしい!」的なのが。
自分の書く物で「~と言われている」と、出典もなく広めるのは、
あまりに頼りなくてできない、特に食べ物では。


けれど、岡本先生のお話は、私の狭い偏見を取り去ってくれました……これは面白いです!


◆しむかっぷ山菜市同時開催「食のワークショップ」~エゾシカの栄養学~
講師:釧路短期大学准教授・岡本匡代氏(食品学博士、管理栄養士)

岡本先生は
「命が食物になる瞬間(殺すということだ)からを扱うのが食品学」
といい、サンプル採取のためシカ猟にも数多く立ち会ってこられたそうで
お話がダイナミックかつ実体験豊富。

以下、少しだけ抜粋。
(固有名詞やデータのメモ取りきれず。実際のお話はもっと明確でした)

・ 歴史上のエゾシカ食:
万葉集にもシカの記述が。重税に苦しむ自分を、全身を利用されるシカになぞらえていることから、皮革、角、食肉などのようすがうかがえる。農村ではシカの駆除は「捕獲」であった(追い払うのでなく、活用目的もあったはず)し、アイヌ民族はシカの年齢によって呼び名が変わるほど、身近で細やかに活用されていた。

・ 近代のエゾシカ:
江戸期の日本からうってかわって明治時代の北海道では行政が捕獲を推進。近年をしのぐ頭数をとっていた。蝦夷オオカミの絶滅でシカが増えていた時期だ。しかしお雇い外国人が「これではシカが絶滅する」と意見して禁猟の時代があった。
そして現代は、農林業被害を防ぐための「管理駆除→有効活用」の時代に。その被害額は90年代がピークで、次第に減りつつある。

・ 栄養学:「肉の特徴は、四つ足らしくないこと」
野生のエゾシカロース(115kcal/100g)
和牛サーロイン(456kcal)
豚ロース(202kcal)
若鶏皮なし胸肉(108kcal)


水分、タンパク質、脂質、灰分(ミネラル)を畜肉と比較すると、鶏胸肉とかなり似た比率。
高タンパク低脂質(なので低コレステロール)。そして鉄分は畜肉のレバー並み。
(平均値から個体差に目を移すと、成分の季節変動が大きい。これは野生の証と捉えている。)
つまり現代人が摂り過ぎ傾向にあるものは少なく、不足気味のものが豊富、そして主菜になる。
必要量を摂取するための献立づくりに悩む栄養士の立場からいうと、大変役立つ食材なのだそう。
レシピはたとえばこちらにも↓
http://www.vill.nishiokoppe.hokkaido.jp/Villager/Ryouku/recipe21.htm


★ここで、チーズ講座の終わった塚田シェフがエゾシカのラザニアをサーブ。
BARCOMでもたまに出るのだけど、かなりおいしい!
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・ 安心安全なエゾシカ肉が食卓に届くよう、社団法人エゾシカ協会
(http://www.yezodeer.com/)が「エゾシカ肉推奨制度」を導入。
推奨マークは専門検査員のもと、衛生基準を満たした食肉処理施設のみが使える。

といったお勉強の合間に、実地でしか知り得ないエピソードが満載!これが面白かった。

「野生動物の研究は難しい。DNAや肉のサンプル採取=狩猟なので、餌や生活歴、性別さえも思うままにならないんです」
「袋角を採る場面に立ち会ったことがあります。麻酔で眠らせてまだ血の通っている袋角を切り取ったのですが、麻酔から覚めたオスのしょげかえった姿は、本当に気の毒でした。
四つ足なのにがっくり肩を落としてましたから(笑)」

歴史、生物学、食品学、栄養学など、総合的にエゾシカの魅力を語ってくれた岡本先生。
先生がナビゲーターのエゾシカ専門番組は、ポッドキャストでいつでも聞けます↓

FMくしろ
www.fm946.com/podcast/podcast02/