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slowfood+sweet tooth

農家・料理人・お客をつなぐ食業界記者。甘系、加圧系もあり。

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2016.05
24
Category : つながり
「料理なのに学会? 食事会の間違い? それとも料理教室?」
これが、函館学会の実行委員へのFAQナンバーワンだ。料理学会とは、プロのコックの世界のトレンドで、「言葉でシェアする食のお祭り」だ。シェフたちは肉を焼いて見せる代わりにマイクを持ち、「なぜこんなふうに火を入れたのか」「それで何を表現したのか」「どんな由来の食材か」を語る。いわば料理の”哲学”を交換するのだ。コックの教育プログラムとしてスペイン・バスク地方のサンセバスチャンで始まったこの「学会」は、すぐにメディアや一般のfoodies の興味を引き(”次はどんな美味が食べられるの?”)、多くの聴衆を集めるイベントに発展してきた。

「スターシェフが出演するのに、なぜ東京ではないの?」
FAQの第2位はこれだ。函館の学会は、ひとりのシェフが郷里に貢献しようと立ち上げ、それは1年半に一度開催される。代表の深谷宏治(Koji Fukaya)氏は、日本のバスク料理の先達だ。機械工学部を卒業したあと放浪に出かけ、サンセバスチャンで料理を学んだ。彼の師、Louis Ilizarは、仲間とともに彼の地の料理学会を立ち上げた料理人であり教育者だ。共有と発信によって、小さな港町サンセバスチャンは、人口あたりの「星」の数で世界一になった。つまり、深谷氏は故郷の函館で、師の足跡に従おうとしているのだ。

 この学会は行政機関でなく料理関係者が運営するので、日本の組織には珍しいことに、「横並びの調整」にとらわれない。実行委員制で、街を愛する大人たちが真剣に遊ぶ、といったところだ。自然に囲まれた美しい港町で、ゲストたちは肩書きを忘れ、キャリアも世代も超えて料理を語る。農場や魚市場に行き、仕事の原点である「料理する歓び」に立ち返ることができる。地元スタッフシェフたちはインスピレーションを、生産者や流通業者はビジネスチャンスを得て、新たなネットワークが生まれる。そして私たち聴衆は、メディアで見慣れた有名シェフと直接話ができ、夜の食事会やパーティで彼らの料理を楽しめるというわけだ。

この学会がユニークなのは、回を重ねるうちに、都市と産地の間に料理人が立つ「フードコミュニティ」の機能を持ったことだ。実行委員は祭りを機に、食の分野で地域貢献しようと考えている。学会の存在が、食べる人と作る人の、「テーブルでつながるコミュニティ」を生む。この動きは小規模生産者を勇気づけ、北海道の持続性と多様性を促すだろう。この「豊かな郷里の美食」という考え方は、現在、世界じゅうの料理人が異口同音に語るテーマだ。もちろん、おいしく信頼できるものを食べ続けたいと思う人なら誰もが、この目に見えない美食コミュニティのメンバーになれる。方法は簡単。このコンセプトに賛同する人の農作物や料理を「選ぶ」ことだ。
料理学会の料理人や生産者に出会えば、楽しみながらその一歩が踏み出せる。

函館のシンボル、日本有数の美しい夜景は、小さな丘と陸が砂州でつながる地形(Tombolo)がかたちづくったもの。偶然にもそれは、サンセバスチャンの地形と同じだ。次回開催は2016年9月。日本に住む食いしん坊なら、ここで繰り広げられる熱い2日間を見逃す手はない。
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